Win-Winの移民受入れを構築する知恵

8月18日付け日本経済新聞の記事「イタリア、移民流入に苦慮 NGOや隣国と摩擦」に目が留まりました。「イタリア政府が地中海経由で流れ込む移民に苦慮している。ボートに乗った人々を助ける非政府組織(NGO)に自制を求めたところ一部が反発している。イタリア経由の移民入国を警戒するオーストリアとも国境管理を巡り波風が立っている。財政負担も増し、反移民を掲げる極右団体が勢いづく懸念もあるが、問題解消の道筋は見えない。」(記事より引用)という趣旨です。

7月2日、フランス、ドイツ、イタリアの内務大臣とディミトリス・アヴラモプロス移民・内務担当委員がパリにおいて、中央地中海ルートにおける移民・難民の流入の増加が呈する課題について協議し、イタリアへの支援の拡大と移民・難民の流れを止めるに資する方策と役割分担を同意しました。

日本経済新聞の記事は、こうした関係国の合意に基づく措置に関するものですが、密航業者との連絡を取らないことや、支援船に警官を搭乗させることなどを求める行動規範に対して、セーブ・ザ・チルドレンを含む4団体は同意したものの、国境なき医師団(MSF)などは行動規範への署名を拒否していると記事にあります。また、隣国のオーストリアは移民の流入阻止に強硬策も辞さない姿勢とも報道されています。

深刻な財政赤字を抱えるイタリアが年間5,000億円を超える移民対応費用を負担すること、移民・難民20万人に臨時的に滞在許可証の発行を検討していることは、何らかの背景があってのことと思いますが、その点は私の勉強不足で申し訳ありません。どなたかご存知の方がいらしたら是非教えてください。

計画的、段階的に考えれば、人道主義や排斥主義の極端に走ることなく、Win-Winの関係を構築する知恵を諸外国の先行例から学ぶことが可能です。海外で生産拠点を持つ日本企業は、移民の就業支援等を通じて、地元社会の政策に協力することも可能でしょう。人口減少・高齢化・労働力人口の減少が現実感を帯びてきた現在、移民や難民の受け入れにどうした方針を設けるか、急激な影響を避けるためのコントロールをどのように実行するか、わが国でも正式な検討と開かれた議論を希望します。