研修セミナー「景品表示法・下請法の最新動向と予防実務の注意点」のご案内

 

私が理事・運営委員を務める日本CSR普及協会の研修セミナー「景品表示法・下請法の最新動向と予防実務の注意点」が7月26日(水)14:00-17:00 TKP新橋カンファレンスセンター ホール4Bで開催されます。この分野のトップクラスの弁護士が規制と実務の要点を解説します。http://www.jcsr.jp/seminar.php

商品表示のミスは、製造や流通を問わず、頭の痛い問題です。商品の成分・品質管理はしっかり行っているものの、タグ、ポップ、宣伝等を制作するチームと十分連携が取れないため、思い込みやうっかりミスで誤表示をしてしまうケースが後をたちません。でも、誤表示をしてしまった以上、そのペナルティやリカバリーは会社に甚大な負荷を課します。意図的なデータ偽装は論外ですが、まじめな企業でも陥るのが誤表示の怖さです。

一方、下請法は、7月10日のNHK・クローズアップ現代で放映していたように、この4月、中小企業庁が「下請けGメン」を発足させ、下請け2000社を対象に調査を開始するなど、違反行為の取締りが強化されています。昨年12月には運用基準が改正され、違反行為事例は66事例から141事例に大幅に増加しています。なかでも、これまでの現場の感覚では当然のように行ってきた買い叩きや減額、型・治具の無償保管がアウトになった点は、実務の現場であまり知られていないのではないでしょうか。

下請法違反の怖さは、下請事業者とは長い付き合いで家族も同じ、お互いの貸し借りの中で帳尻は合わせてある、下請事業者も納得済みといった説明が、中小企業庁にはまったく通じない点です。下請事業者は拒否できない立場なので、問題行為かどうかは外形的に判断する、というのが当局の立場です。この判断基準の違いを現場に徹底しておかないと危ないことになります。

たとえば、資材・原料の一括購入において長期保管と分納の料金も代金総額に含むとこれまで決めてきたとします。いくら保管しても何度分納しても固定金額というのは不合理だ、個別に金額を設定すべきだ、という方向に当局の指導は向かうと想定されます。小回りが利いて重宝がられるのが小規模な下請事業者の強みだったのですが、そうした古き良き文化はいずれ通用しなくなるのかもしれません。

このブログを読んで心配になった方は是非、日本CSR普及協会の研修セミナー「景品表示法・下請法の最新動向と予防実務の注意点」(7月26日水曜日)にお申し込みください。お待ちしています。

 

人権監視法とビジネスとの関係

7月10日付け日経新聞朝刊の「リーガルの窓」の「人権監視法 海外リスクに」をお読みになりましたか?  

自社の事業やサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働を発生させない措置を講じることやその効果の検証・開示を義務付けたり、奴隷労働で採掘・生産した産品の輸入を制限したりする欧米各国の動向が説明されています。記事中の「日本企業は海外当局の動向に気づくのが遅れ、価格カルテルや贈賄行為で次々に摘発された。人権監視法でも二の舞になる恐れがある」との蔵元左近弁護士のご指摘は正鵠を射たもので、私もまったく同感です。

その基調となる国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(2011年)も、本格的な経営の議論に乗せた日本企業を私は知りません。こうした日本企業の人権不感症は、権力による抑圧と戦った国民規模の歴史を持たないこと、ならびにビジネスによる人権侵害を監視・改善要求するNGOや倫理的消費を促進するNGOの存在感が乏しいことが原因であると私は考えています。

国際ルールでは、人権侵害を引き起こさない、調達取引等を通じて間接的に加担しない、改善のために影響力を行使する、被害を救済するメカニズムを持つ、といったことが企業経営に求められます。その反面、いじめ、ハラスメント、過労死、外国人研修生、外国人女性の性的商品化など、諸外国から厳しい批判を受ける人権問題をたくさん抱えているのが日本の社会です。

日本企業の経営層にCSR調達を説明すると、なぜ必要なのか、株主や消費者が本当に求めているのか、業績向上に役立つのか、といった質問を受けます。地球環境、人権・労働、腐敗防止に配慮している企業の株式や製品を積極的に購入する人々が見当たらない我が国の状況で、経営者にそれを求めるのは少々酷かもしれません。疑問に思う気持ちもよくわかります。国際ルールに対応する必要性を経営者が明確に実感できる社会に変革することも、併せて考えていかなければいけないですね。

火災・爆発事故の防止は経営トップのリーダーシップで

 今年の2月16日に発生した通販会社「アスクル」の物流倉庫の火災について、「埼玉県三芳町倉庫火災を踏まえた防火対策及び消防活動のあり方に関する検討会報告書」が6月30日に消防庁から公表されました。

この報告書では、防火シャッターが正常に機能しなかった、初期消火で誤操作があった、通報が報知器作動の7分後であったことなどから、防火区画が適切に形成されず、初動対応が十分でなかったこともあって早期に消火できなかったことが課題にあげられています。また、倉庫の開口部が少なく内部侵入が困難なため放水活動が難しく、スプレー缶等の爆発的燃焼が発生し、火災が広範に広がった結果、効率的な消火ができなかった点も課題にあげられています。

火災当時の報道では、保管している商品在庫の量も事前に行政へ届け出た量を超過していた、車の鍵や財布を取るために消防隊の承諾なく従業員が立入禁止区域に入ったなど、消火活動の支障となる配慮のなさに批判が集まりました。そして、近隣住民の公民館などへの一時避難、買物など日常生活への支障、小中学校でのグラウンド使用の中止など、周辺地域が受ける迷惑の大きさに同情が集まりました。

上記の報告書では、今後の対策として、事業者自らが防火シャッター等の維持管理計画を策定して実施することや、消火栓を用いた消火訓練や実火災を想定した通報・避難訓練について倉庫の状況に応じた効果的な内容を事業者が計画して実施することが提言されています。しかし、大災害の直後は企業が熱心に取り組んだPCP/BCMも、喉元過ぎれば熱さを忘れるの状況です。事業施設の火災・爆発事故の防止は、総務所管の一般業務とせず、社会的責任の重要課題に位置付け、経営トップのリーダーシップで責任ある行動を組織に染み込ませたいものです。