私が企画・講演したセミナーを終えて

私が企画・講演したセミナー「受講者に喜ばれるコンプライアンス研修のノウハウ」(経営調査研究会主催)が、17社、19名のご参加をいただき、昨日、無事終了しました。ご多忙のなか足を運んでくださった皆様に改めてお礼申し上げます。

研修の冒頭に申し上げました通り、コンプライアンス研修の行き詰まり感、参加者の不満の多くは、企画・推進する側のデザイン力と配慮の不足にあると私は思います。セミナーでは、対象を役員・幹部、中間管理職、一般社員(現場)の三つに区分し、その役割と仕事、対象者が知りたいこと、消化能力と容量を十分踏まえて設計する重要性を強調しました。

例えば役員・幹部向けのコンプライアンス研修は、①体制・仕組みの整備、②リスク情報の早期把握、③中間管理職や一般社員への伝達・教育内容など、役員・幹部が自身の仕事と認識するテーマについて、経営レベルでの協議・決定の前哨戦として、次のアクションにつながる具体的な施策例など実質的に提案する機会と考えるやり方をお話しました。

経営トップや推進担当役員とすりあわせた上で、こうした進め方をしますと、非常に実践的で、価値のあるコンプライアンス研修となります。経営に役立つと感じる内容であれば、経営トップや推進担当役員は協力的にどんどん要望や意見を出してくれます。これに対して、一般教養や概念論の研修は嫌がられます。

また、中間管理職向けのコンプライアンス研修は、そもそも管理職の役割はチームの成果が最大限になるよう、チームの方針・役割分担・進め方をデザインし、メンバーが動きやすい環境、問題を一人が抱え込まなくても済む環境を提供することにあると教えるところから始めるべきとお話しました。

昨今はプレイングマネージャーが多いので、職場の「親方」が不在で、私がお手伝いした案件でも、現場の担当者が問題を抱え込んだり、管理の死角を利用して不正を働くケースが少なくありません。その修復をしないまま個別テーマの管理を増やしても、まともに動くはずがありません。

コンプライアンスのグレーゾーンに正解はありません。いろいろな要請や欲望が衝突する中で何を優先するか、考えてもらうことが大事ですし、その影響が広まって職場や組織が強くなります。コンプライアンス研修は、そうした動きのきっかけをつくる立場にとどめた方がよい、過剰にルール遵守を強要すると面従腹背を招きかねない、と私は考えて研修のお手伝いを続けています。

終了後のアンケートを拝見すると、セミナーに参加いただいた皆様には、そうした考え方が十分伝わったようで安心しました。

このブログでも、そうした考え方のポイントを要所要所で紹介しますので、楽しみにしていてください。