重大不祥事と機関投資家の反応

三菱UFJ銀行が2018年4~6月開催の株主総会における賛否結果を公表しています。このなかで、同じ三菱グループに属する三菱マテリアルの取締役選任議案に反対票を投じている点が注目されます。

今年6月初旬、米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が、リニア中央新幹線の入札談合事件に関与したと疑われる各社のトップ再任議案に反対を推奨し、注目を集めました。

これまでは、重大な不祥事を起こしても、巨額な賠償金・制裁金を負担し、トップの発言や姿勢に批判が集まるようなケースであれば、株主総会で批判的な質問を浴びることはありました。

しかし、機関投資家の受託責任と説明責任が正しく理解されるようになり、投資家や市場に説明できない株主総会での投票行動は後退する流れにあります。

上場会社グループ企業の会長・社長以下の業務執行が考えるべきは、株主から経営を託された立場として、透明性と説明責任を励行し、マイナスの行動や結果に対しても意見や要求をしっかり受け止め、その対応状況を継続的に開示する、ことにあります。

昔から教科書では説明されてきたことですが、ここ数年、ようやく現実の経営規準として説得力を持つようになりました。機関投資家の行動規準作りは、上場企業のガバナンスやコンプライアンスに対して、一定の効果が生まれてきたように感じます。