贈賄防止アセスメントツールの意義

1月8日付けの日本経済新聞で「贈賄防止アセスメントツール」の作成・公表予定が紹介されていました。グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(東京・港区)の活動のひとつで、38の質問に回答すると企業の予防策の充実度合いが評価できる建て付けになっているようです。機関投資家と投資先企業との間の贈賄防止強化に向けたエンゲージメント・ 対話を促進し、かつ企業の透明性と持続可能性を高めるツールとして有効だと思います。

外国公務員に対する贈賄は、国際規模で取締りが強化され、厳罰化も進んでいます。数百億円や一千億を超えるぺナルティ/和解金も発生していますし、投資家からの懸念表明も強くなっています。日本企業では、大手企業は何らかの予防策を講じているものの、それ以下の規模になりますと、対応していない企業が少なくありません。

実務では、発注会社のCSR 調達への組み込みが不可欠ですし、エージェントや協力会社を迂回しての不正も懸念され、現地拠点の縛り付けに工夫が必要となります。予防策を講じる際には、このあたりのリスクにどこまで踏み込んで牽制をかけるか、悩むのが常です。

投資家からの説明要求が強化されるほど、企業は予防対策の本気度を示さなればなりません。同記事で紹介されている三菱商事のESGデータブックなどは、他社も参考すべき好事例だと思います。

こうした予防対策は、自動車の車検のようなものですから、公道を走りたいのなら、それなりのものを用意すべきでしょう。100%は撲滅できないからと言って対策を怠る選択肢はありません。

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの活動成果が日本企業に普及することを期待します。また、このツール作成を牽引している弁護士の高橋大祐氏は、グローバルコンプライアンスやESGの分野で法律・規則を実務に結びつける有意義な活動を展開する才気あふれる人材です。氏のWeb サイトも参考になりますので紹介させていただきます。https://www.dtakahashi.com/