良い規程、悪い規程

規程第二弾です。私が会社規程の評価や作成を求められたときに、なにを基準に考えているかをお話します。

ある業務領域の内部統制システムについて説明を求められたとき、最初に「規程」を見せると思います。そうです、規程は内部統制システムの骨格を示すものなのです。では、内部統制システムはどのように構造かと聞かれたら何と答えますか?  多くの方はPDCAサイクルと回答するでしょう。

良い規程は、そのテーマ領域に関するPDCAサイクルが簡明に表現されていることが必要条件となります。具体的には、基本方針、組織編制、年度計画策定(以上Plan)、方針展開、業務組入れ、教育・研修(以上Do)、職場討議、部門点検、内部監査(以上Check)、課題検討、是正行動、次年度への反映(以上Action)等の要素を時間の流れに即して記述することになります。

一方、悪い規程は、目的(抽象的なものが多い)、用語の定義、組織編制、発効日あたりで止まってしまい、方針や進め方は担当役員や担当部門が決めるとだけ書いてあり、そのテーマ領域に関するPDCAサイクルが浮かび上がってこない規程です。そもそも方針や対応基準がないのに進め方が決まるはずがありません。以前に作られた規程は、意外とこのパターンが多いのです。

規程に盛り込むPDCAサイクルは、定めるテーマ領域によって異なります。また、各規程について、規程と細則・実施要領のいずれになにを盛り込むか事前に詰めておくのが実務の手順です。通常、細則・実施要領は担当部門や書式様式まで特定しますので、必要の都度変更・更新することを前提に作成します。

そして、何より大切なのは、役員や社員には規程に則して日常の仕事を進めてもらうことです。不具合があれば、規程を変更してから方法を変更すべきででしょう。規程に基づかない仕事の実体を放置しますと、規程全体の信用が失われますので、くれぐれも注意してください。