火災・爆発事故の防止は経営トップのリーダーシップで

 今年の2月16日に発生した通販会社「アスクル」の物流倉庫の火災について、「埼玉県三芳町倉庫火災を踏まえた防火対策及び消防活動のあり方に関する検討会報告書」が6月30日に消防庁から公表されました。

この報告書では、防火シャッターが正常に機能しなかった、初期消火で誤操作があった、通報が報知器作動の7分後であったことなどから、防火区画が適切に形成されず、初動対応が十分でなかったこともあって早期に消火できなかったことが課題にあげられています。また、倉庫の開口部が少なく内部侵入が困難なため放水活動が難しく、スプレー缶等の爆発的燃焼が発生し、火災が広範に広がった結果、効率的な消火ができなかった点も課題にあげられています。

火災当時の報道では、保管している商品在庫の量も事前に行政へ届け出た量を超過していた、車の鍵や財布を取るために消防隊の承諾なく従業員が立入禁止区域に入ったなど、消火活動の支障となる配慮のなさに批判が集まりました。そして、近隣住民の公民館などへの一時避難、買物など日常生活への支障、小中学校でのグラウンド使用の中止など、周辺地域が受ける迷惑の大きさに同情が集まりました。

上記の報告書では、今後の対策として、事業者自らが防火シャッター等の維持管理計画を策定して実施することや、消火栓を用いた消火訓練や実火災を想定した通報・避難訓練について倉庫の状況に応じた効果的な内容を事業者が計画して実施することが提言されています。しかし、大災害の直後は企業が熱心に取り組んだPCP/BCMも、喉元過ぎれば熱さを忘れるの状況です。事業施設の火災・爆発事故の防止は、総務所管の一般業務とせず、社会的責任の重要課題に位置付け、経営トップのリーダーシップで責任ある行動を組織に染み込ませたいものです。