広告宣伝における打消し表示(例外条件・制約条件)の注意事項

消費者庁から7月14日、「 打消し表示に関する実態調査報告書」が公表されています。
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170714_0003.pdf

「打消し表示」とは、商品・サービスの広告宣伝において内容や取引条件を訴求する強調表示の脇に「例外条件」や「制約条件」を付記することをいいます。打消し表示が不適切で、強調表示が無条件・無制約にあてはまるがごとく消費者に誤解を与える可能性があると、不当表示として景品表示法上問題になるおそれがあります。

「打消し表示」には、例外がある旨の注意書き、体験談に関する注意書き、何らかの別の条件が必要である旨を述べる注意書き、効果 ・性能 等には個人差がある旨や効果 ・性能  を保証するものではない旨を述べる注意書き、予告なく変更する可能性がある旨の注意書き、強調表示し た代金以外の金銭が追加で必要になる旨を述べる注意書き、一定の条件下での試験結果や理論上 の数値である旨の注意書きなどの類型があります。

報告書ではまず、すべての媒体に共通して問題となる表示方法として、打消し表示の文字の大きさ、強調表示の文字と打消し表示の文字の大きさのバランス、打消し表示の配置個所、打消し表示と背景との区別の観点から、著しく優良または有利と消費者に誤認を与えるケースが説明されています。続いて動画広告に関して、打消し表示が含まれる画面の表示時間、強調表示と別画面での打消し表示、文字・音声の強調表示に文字のみの打消し表示、複数の場面での内容の異なる複数の強調表示と打消し表示などの観点から問題となりえるケースが説明されています。さらに、Web広告に関して、強調表示と打消し表示が1スクロール以上離れているケースの問題性も指摘されています。

いずれも企業の実務では悩む事柄ですね。この報告書を読んでも、具体的な対応基準が示されているわけではありませんが、類型別の表示例を使った一般消費者の受け止め方の調査結果と不当表示防止の考え方は、基本的な枠組みとしてたいへん参考になります。また、契約の料金体系があまりに複雑で、打消し表示も膨大かつ複雑になるときは、そもそも料金体系自体を見直すべきであるとの指摘も謙虚に受け止めるべきでしょう。さらに報告書のまとめに指摘されている、①表示チェックの体制やルールの構築、不断の見直し、改善、②一般消費者の視点の活用、③正しい知識の習得、④チェックリストの作成・見直しは、いまや企業のリスクマネジメントとして必要不可欠です。

最近、ビール会社や地方自治体のPR動画の表現が性行為を連想させて卑猥だと、SNSで炎上してしまうケースが続いています。ネット社会となり、少数の意見でも拡散・炎上して企業のブランドを下げるリスクがあります。不当表示の措置命令を発生させないことはもちろんですが、世間から、詐欺的、品性下劣な広告宣伝と言われないよう、独自のチェック体制の充実が急がれます。制作サイドの意見に流されず、自社の品格にふさわしい広告宣伝を考えたいものです。