労務事案のレピュテーション防衛

8月29日付の日本経済新聞に、ネット上で誹謗中傷されたとして、投稿の削除やIPアドレスの開示を求める仮処分の申し立てや、投稿者の指名・住所をプロバイダーに開示される訴訟の提起が高止まりの状態であるとの記事が掲載されていました。

事実無根の中傷記事でもネットに掲載されると、入社希望者がピタリと止まったり、得意先から説明を求められたり、会社への影響は深刻です。私も相談をうけ、弁護士の方に手続きを取り付ぐこと経験がありました。

本来であれば自助努力や上司・専門部署との話し合いで解決すべきことを、「会社は十分なサポートを提供すべきだ」「会社が放置するのは私を軽視するからだ」という論理で、パワハラの被害を申し立てたり、ネットに書き込む人が、ここ数年増えている印象があります。

その背景には、人間関係の摩擦や衝突、咄嗟的な強い言動などを「パワハラ」と一括りにして過剰に扱うマスコミの報道姿勢も影響しているのではないでしょうか。個人の命、健康、尊厳、名誉心といった根幹的価値を侵害するパワハラは、誰が見ても一線を超えたレベルをいいます。

疑わしい投稿、内部告発、記者会見によって、ブラックのイメージを社会に拡散することで会社を揺さぶるテロにも似た行為が増えていることを企業関係者はもっと警戒心を持つべきですし、救済を受け付ける自治体や法曹関係者は注意深く観察して欲しいと願います。