健康経営ブランドに取り組む背景と必要性

7月31日付け日本経済新聞朝刊の法務面に、健康経営®の認定制度などを活用して人材の確保や業務の効率化に取り組む活動が中小企業に広がっている旨の記事が掲載されました。記事では、経済産業省による健康経営優良法人の認定制度、日本政策投資銀行による健康経営格付けなどが紹介されています。

さらに、東京証券取引所と経済産業省による「健康経営銘柄」の選定・公表も注目すべき動きです。選定にあたっては、経済産業省が実施した「平成28年度 健康経営度調査」の回答結果を、①経営理念・方針 ②組織・体制 ③制度・施策実行 ④評価・改善 ⑤法令遵守・リスクマネジメント という5つのフレームワークから評価した上で、財務指標を勘案したと説明されています。投資家の観点でも、健康経営は、人材の確保、賠償責任の予防など、企業の持続可能な成長に重要な意味を持ちます。

この健康経営は、CSRや経営倫理の分野で以前から論じられてきた主要テーマのひとつで、非財務情報の開示制度では基本的な項目と位置付けられ、日本企業も欧米向けの情報開示では、充実した記事やデータを公表しています。主要テーマになる理由は、従業員に肉体的・精神的なダメージを与えながらも国民の医療費を使って企業が利益を上げるのは公平ではない、企業は健康維持や予防医療に応分の負担をすべきである、という考え方にあります。

日本経済新聞の記事にも「政府は医療費削減の観点からも健康経営を迫る。18年度から特定健診の実施率などの評価項目を都道府県ごとに比較、評価が低い都道府県では協会けんぽの保険料率が相対的に上がる新制度を導入する方針だ」とあります。19年以降は医療費抑制に取り組んだ自治体ほど調整交付金を厚く配分する仕組みに変更する方で厚生労働省が検討に入るとの報道もあります。医療費抑制はまったなしの状況ですね。

現時点ではブラック企業イメージの払拭など、人材確保に向けた動機が多いと思いますが、将来的にはぺナルティの意味合いを含む経済的負担につながると考えておいたほうがよいでしょう。社会保障費は取れるところから取る傾向が強まるでしょう。

※健康経営®は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。