クラスター弾製造企業に対する融資禁止と国際NGOの影響力

 新聞報道によれば、三菱UFJフィナンシャル・グループは12月1日、クラスター弾の製造企業への融資を、傘下の二銀行が十二月から全面的に禁止したことを明らかにしたそうです。クラスター弾は無数の子爆弾をばらまいて無差別に殺傷する非人道兵器であり、禁止条約も締結され、廃絶を求めるNGO等の監視活動が国際規模で続いています。

全面禁止を訴える国際NGO「PAX」(拠点・オランダ)の本年5月の報告書によれば、クラスター爆弾を製造する企業に対する融資は、禁止条約の批准国の中では、日本の金融機関数が最多で、三菱UFJフィナンシャル・グループ(9億1400万ドル)▽三井住友フィナンシャルグループ(6億600万ドル)▽オリックス(3億5400万ドル)▽第一生命(4000万ドル)が社名を公表されていました。

日本の全国銀行協会は2010年にクラスター弾の製造を目的とした融資に限って禁止する申し合わせ、各社ともこれに沿って融資を制限してきましたが、NGO側から批判が高まったことを受け、9月に融資全面禁止を打ち出した三井住友フィナンシャルグループに続き、三菱UFJフィナンシャル・グループも資金使途にかかわらず融資を禁止することを公表したのが本件の報道内容です。なお、指摘を受けた4社はすでに海外のグループ企業も含め、クラスター爆弾製造企業への投融資を引き上げているようです。

このニュースに触れて感じたのは、国際NGOの影響力に日本企業もようやく重い腰を上げ始めたということです。国際NGOは、市民社会や地球環境の利益を守る専門集団であり、市民社会からは、政府・行政や民間企業よりもはるかに強い信頼を受けています。その活動は、戦略的・革新的・機動的なものに重点を置き、社会に対する情報発信(問題提起)や活動促進に繋がる社会的役割を積極的に引き受けます。活動の多くはサービス提供の形態をとりますが、最終的には政府と協力した政策転換や企業・産業界と連係した市場機能への組み込みを志向します。

例えば、皆様も名前を聞いたことがあるグリーンピース・インターナショナルは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOで、活動分野は気候変動・森林保護・海洋保護・農業・化学物質・核利用など多岐にわたります。2013年のグローバル収益は308億円、直接プログラム支出209億円、職員2,200人、280万人の個人サポーター、世界40カ以上の国と地域に及びます。さらに国連から「総合協議資格」が認められ、総会を含むほとんどの会議にオブザーバーの資格で出席しています。

このような国際NGOの活動の収入源は、個人の寄付が多くを占め、一部は政府からの委託料によります。諸外国では、地球や社会のためにひと肌ぬぐ篤志家が数多くいるということです。つまり、国際NGOは専門家による市民の利益の代弁者として正当性と信頼を有しており、これを「特殊の反対派の活動」と捉える日本国内の評価は通用しないという点を是非理解してください。三井住友も三菱UFJも適切な判断をされ、それを公式に表明したことは、国際社会の常識を理解している有効なシグナルになったと思います。