この秋のコンプライアンス研修を振り返って

10月や11月を企業倫理月間とする企業・団体が多いので、役職員向けのコンプライアンス研修のご依頼は、9月から12月に集中します。私も、9月中旬から週に3~4回のペースで研修の講師を務めています。

終盤にかかり、この秋のコンプライアンス研修を振り返りますと、働き方改革関連の分野を除き、ハラスメント、個人情報、公正取引、インサイダー取引規制といった個別分野の研修は減少し、反面、現場でミスや不正が発生するメカニズム、経営やマネジメントの押さえどころ、現場の社員に意識・行動を修正してもらうコツ、といった根本的なテーマを依頼されるケースが増えました。

神戸製鋼所の検査データ偽装、日産・スバルの無資格者検査などに象徴されるような、現場の悪しき慣行、スタッフ部門の不適切な関与など、日常の事業活動でかかえがちなリスクを感じ取り、そこにメスを入れたい企業が増えているように感じます。でも、進め方を間違うと、現場の抵抗感が増して逆効果になりかねません。

推進事務局の皆様からは「現場の社員にガツンとお願いします」と依頼されるのですが、現場の社員の多くは「作業方法の変更」「禁止事項の伝達」といった具体的な形に落とし込まないと理解が難しく、なかなか受け入れてくれません。ですから、まずはマネジメント層が日常業務に潜むリスクを理解し、それをどのように現場の社員の伝え、改善の成果を刈り取るかについて、実践的な研修をするのが良いと私は考えています。

実際のところ、この秋の研修は、そうした「伝わっているとの思い込み」「現場の業務実態の把握不足」「現場から問題を報告してもらえる必要条件」といった指摘からスタートする研修が多かったですし、そうした現実直視の内容に多くの方々が反応してくださいました。12月まで、こうした方向性で研修を継続したいと思っています。