がんばれ! ヤマトホールディングス #2

8月8日の当ブログに「がんばれ! ヤマトホールディングス」の記事を掲載した際、「過酷労働や賃金不払いがあれほど判明しているのにCSRの魂を売ったのか」と批判が届くかと思いましたが杞憂でした。名ばかりの再発防止策でお茶を濁す企業が多いなか、会社の存亡をかけて構造的な解決をはかる経営姿勢を評価する私の意見に、企業のコンプライアンス担当者から肯定的な意見がいくつか寄せられました。

9月28日、ヤマトホールディングスは2019年度までの新中期経営計画を発表しました。ネット通販荷物の急増に対処しつつ運転手の勤務時間を短縮するため、午後・夜間専門ドライバー(契約社員、業務委託)を1万人配置するなど働き方改革に1千億円を見込むほか、再配達を抑制するするため街中のオープン型宅配ロッカーの増設や新型車両の導入、集配システムの改良、ロボットやAIの導入など業務効率化に1,500億円を投じるとのことです。

私が素晴らしいなと思うのは、こうした投資の原資に運賃引き上げによる増収分を充てるとしている点です。9月28日付け日本経済新聞によれば、ヤマトの取扱い荷物の1~2割を占める米アマゾン・ドット・コムとの運賃交渉が大筋合意し、値上げ幅は4割超となるもようとのことです。

さらに、10月1日から個人向け料金が平均15%引き上げられるほか、割引契約を結ぶ大口顧客1,000社とも値上げの合意が進展しているもようです。

そして、経営の実直さが感じられるのは、値上げで収益基盤を確保しながら、取り扱う荷物の総量抑制を当面継続するとしている点です。19年度の取扱い計画を5%下方修正し、19億個に抑制すると記事にあります。

行き過ぎた価格競争や便利さは、サプライチェーンの誰かに犠牲を押し付けます。社会を正気に戻すのは、リーディングカンパニーの社会的責任です。宅配便業界ではヤマトの取扱いシェアは約5割に達します。リーディングカンパニーとして業界の健全化と持続可能に正面から取り組む姿勢を私は応援したいと思います。