お客様の質問

Q1
突然、全社コンプライアンス推進担当の仕事を命じられました。何から着手すればよいでしょうか。
A
まず、取締役会で決定した内部統制システムの基本方針に基づき、①社長や担当役員が考えるねらい、規模、スピード、効果の評価基準、②構築するコンプライアンス態勢の基本デザインとスケジュール概要、③協力を求める組織や部署などを明確にした上で、当面の完成目標や推進計画をまとめます。最初の設定が肝心ですので、この段階で専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
Q2
どのような専門家にアドバイスをお願いするのがよいでしょうか。
A
立ち上げまでの段階は経験豊富な専門家にサポートを依頼することをお勧めします。仕組みの構築だけでなく、意識や風土に働きかけるノウハウを持っている専門家に依頼すると、役員・社員への浸透が早まります。専門家にはルールや内部統制システムを重視するタイプ(弁護士に多い)と人間心理やマネジメント技術を重視するタイプ(当社)があります。その時点でどちらが必要かを良く見極めてください。
Q3
基本計画や推進計画を上手にまとめるコツはなんでしょうか。
A
コンプライアンス推進責任者はスーパーマンではありません。各部門が縦割りで分掌する遵守管理に横串を通し、一定の方向や水準で連動させることが任務です。各現場の実情に即して注意を促し、リスク要素を早い段階で把握して対処することが重要です。遵守事項の専管部門や組織別の推進リーダーとの連携、推進チームの一元化が成功のコツです。
Q4
当社の活動が適切かどうかをどのように評価したらよいでしょうか。
A
これをクリアすれば合格という万能の評価基準はありません。一般的には、まず計画や規則どおりに職場が運営されていること、並び
Q5
数年前から活動を継続しています。これから先、どのように展開してよいか教えてください。
A
推進責任者からの情報発信は充実したかもしれません。しかし、中間管理職と現場とのコミュニケーションは良好でしょうか。現場からの問題提起への管理職の初動に関してフォローは十分でしょうか。多くの問題は現場で生じますが、情報を届けるだけでは現場は動いてくれません。報告・相談しやすい職場環境、組織で問題解決にあたる風土を強化することが次の段階の課題です。
Q6
内部通報(ヘルプライン)の受付件数を増やすように経営トップから指示がありました。効果的な促進策を教えてください。
A
受付件数が少ないのは、ヘルプラインの認知度が低いという理由より、相談・通報後の自分の立場がどうなるかわからないので利用しないといった理由が多いようです。単に秘密を守るというだけにとどまらず、リスクを経営に早く知らせるメリットや、情報の取り扱いに対する方針・手順をきちんと開示することが利用の増加につながると考えられています。
Q7
コンプライアンス、リスク管理、内部統制の関係をどのように整理して理解すればよいでしょうか。
A
現時点で定説はありません。私は会社法の内部統制システム(企業法362条4項6号)を頂点に位置付け、その主要な構成部分としてコンプライアンス態勢とリスク管理態勢があると考えています。同じ内部統制でも金融商品取引法が求めるのは、財務報告の品質保証ですから、コンプライアンス態勢の構成要素の一つと考えればよいでしょう。
Q8
コンプライアンス違反者の社内処分はどのように考えればよいでしょうか。
A
社内処分は、本人、直接監督者、担当役員に対して考えます。まず、問題行為が業務目的の不正か、個人の経済的利得はあるか、刑罰の対象行為か、といった行為の態様で、重処分とそれ以外に区分します。次に、各当事者の役職、権限・責任、関与の程度、過去の注意・処分歴、組織・業務への影響で責任の軽重を判断します。役員・組織長は結果責任まで拡大して、中間管理職・担当者はプロセス責任に限定して考えるのが一般的です。ただし、就業規則や懲戒規程の記載がこれらに沿っていなければ、就業規則等に記載されている処分基準に則って判断してください。
Q9
マスコミの取材にはどのように対応したらよいでしょうか。
A
マスコミの取材依頼には個別に対応するのが原則です。ただし、取材が殺到して混乱が予想される場合や一斉に公表して質問に答えた方が良い場合は記者会見の方法を選びます。記者が聞きたいのは、発生した事実、想定される原因、影響拡大の危険、当面の対策、責任の所在などの情報です。自社が行ってきた予防措置、今の段階でわっていること、調査結果が判明するタイミング、言えないことはその理由など、業界用語を使わず、わかりやすい資料で率直に伝えた方が良いでしょう。
Q10
取材対応で気を付けるのはどういう点でしょうか。
A
記者の後ろでは「世間」が見ています。儲け主義、無責任、下品と感じられる言動は命取りになりかねません。その事業の担当役員だからという理由ではなく、印象よく記者とコミュニケーションできるかどうかでスポークスマン役の役員・幹部を人選することが成功につながります。情勢が不利なときは、自分たちの立場や考えを明らかにする目的でポジションペーパー、すなわち「経緯や事実関係をわかるようにまとめた統一見解・公式見解」を作成・提供するのも賢い方法です。
Q11
重大な不祥事を起こしたら第三者委員会を設置して調査してもらったほうがよいでしょうか。
A
会社と利害関係のない弁護士・公認会計士・専門家で編成する第三者委員会は、もはや会社の説明が世間から信用されず、不都合な事実を隠していると疑われる状況下で、独立性のある第三者から事実関係、原因、再発防止策、責任などを会社に報告してもらい、それを受けて会社が事態の収束をはかる手法です。本来は、会社の経営がしっかり調査・検討して説明責任を果たすので基本ですが、それが難しい状況での特殊な手段と考えてください。
Q12
第三者委員会が会社に不利な判断をしない方法はないでしょうか。
A
これまで会社の情報に触れていない第三者が問題箇所をえぐり取って論評するのですから、会社の感覚とは違う結論が導かれることも珍しくありません。会社が結論を誘導したり希望を伝えたりすると評価の独立性に欠けるので、会社の意向に沿った結論を求めるのは困難です。従って、あかの他人に首を差し出す切羽詰まった状況でなければ、第三者委員会の設置は見送るべきだと私は考えます。設置する場合は、事前に情報を集め、常識感のある弁護士・公認会計士・専門家を選任することが重要です。当社では、そうした準備のご相談にも応じています。